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2006年02月22日
2/22は島根県条例によって竹島の日と定められています。島根県条例だから他県には関係ないといえばそうですが、北方領土の日が閣議決定されているのと比べていささか不公平と感じます。もっとも、島根県条例で竹島の日が定められたのは2005年のこと。これから国レベルで竹島の日を設定してほしいものです。もちろんそれ以前に返還されることがベストであるということは言うまでもありません。
さて、竹島が日本領土である根拠などの記述は島根県庁サイトを初め多くのサイトなどに存在しています。ここでは改めてそういうことを語るのではなく、パラパラ地図作者の立場として、竹島の所属の変遷について考察していこうと思います。
竹島の所属は『島根県 隠岐郡 隠岐の島町』です。『五箇村』と認識している方もいらっしゃるかもしれませんが、五箇村は2004/10/01に西郷町など島後4町村で合併し、隠岐の島町となりました。(以下図参照)
さて、1905年1月28日以下の閣議決定がなされました。
『別紙内務大臣請議無人島所属に関する件を審査するに右は北緯三十七度九分三十秒東経百三十一度五十五分隠岐島を距る西北八十五浬に在る無人島は他国に於て之を占領したりと認むへき形跡なく一昨三十六年本邦人中井養三郎なる者に於て漁舎を構へ人夫を移し猟具を備へて海驢猟に着手し今回領土編入並に貸下を出願せし所此際所属及島名を確定するの必要あるを以て該島を竹島と名け自今島根県所属隠岐島司の所管と為さんとすと謂ふに在り依て審査するに明治三十六年以来中井養三郎なる者該島に移住し漁業に従事せることは関係書類に依り明なる所なれば国際法上占領の事実あるものと認め之を本邦所属とし島根県所属隠岐島司の所管と為し差支無之儀と思考す依て請議の通閣議決定相成可然と認む』
すこし長くなりましたが、この決定では竹島が他国が所有していない、さらに日本人、中井養三郎がすでに竹島で居住してアシカ猟を行っており、国際法上日本の領土とみなすのにはなんら問題はないと言っています。なお中井養三郎は1903年には竹島で海驢(アシカ)猟を行っておりました。(日本人による竹島でのアシカ猟は1902年からという資料もあり)
そしてこの閣議決定を元に、内務省から島根県に訓令が行われ島根県告示として
『北緯三十七度九分三十秒東経百三十一度五十五分隠岐島を距る西北八十五浬に在る島嶼を竹島と称し爾今本県所属隠岐島司の所管と定められる』(1905年2月22日)
これによって竹島は明確に島根県に所属することが告示されたのです。そして島根県が『竹島の日』とした2月22日こそまさしくこの日なのです。
さて竹島が島根県に編入することが決定しましたが、どこの市町村に所属したのでしょうか。この告示をご覧になればわかると思いますが、どこの市町村にも属さず隠岐島司所属すなわち、県直轄地となされたのでした。ちなみに島司とはその名の通り、島を司るもの、すなわち隠岐島庁の長のことです。県は竹島をアシカ猟業者に貸与し、使用料を徴収していました。
図:パラパラ地図島根県隠岐版(DMさん作成によるもの)
竹島は西郷町所属になるかもしれなかった???
1907年、西郷町西町漁業組合から県知事に、竹島を西郷町へ編入する請願が行われました。しかし、竹島を開発していた先述の中井養三郎は、西郷町の人ではありましたがこの西町漁業組合に所属したことはありません。請願は竹島利権の妨害にほかならないと西郷町編入反対の上申を行い、このためか竹島の町村区域への編入は行われず、直轄地として存続しました。
隠岐島司所管といえど、隠岐島庁がなくなってしまえば変更されることになります。1926年7月1日隠岐島庁は廃止され隠岐支庁が新設されました。竹島は隠岐支庁の所管となりました。
1939年になり竹島は五箇村に編入されることになりました。この辺の事情は調査中です。現在確認した文献ではすべて五箇村に編入されたの1行ですまされてしまっているのです。確かに日韓領土問題に五箇村編入はたいした問題ではないのかもしれません。しかし、パラパラ地図作者としては興味のわくところです。頼みの綱五箇村史にも載っていなかったので、理由の載った文献はないかもしれません。ただ確かなのは五箇村は日本の自治体の中で一番竹島に近いことです。
竹島を五箇村区域に編入の件
『北緯三十七度九分三十秒東経百三十一度五十五分に位する竹島を五箇村に編入するものとす
右昭和十四年四月二十四日提出
五箇村長 村上 真』
かくして五箇村所属となりました竹島。この後、2004年五箇村が合併するまで韓国に侵略されてはいるものの五箇村所管でありつづけました。そして、2004/10/01、五箇村は西郷町など島後4町村で合併し、『隠岐の島町』となり竹島は『日本国 島根県 隠岐郡 隠岐の島町 竹島官有無番地』として現在も韓国の不法占領下にあります。
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